1) 防虫剤
基本的には絹物は防虫剤は必要ありません。
もし虫食いがあったとしたら、きものに点いたシミの部分が原因です。
防虫剤を使う場合は、ピレストロイド系の成分の物(シートタイプのものが便利です、タンスにゴンやミセスロイド他)を使い、一つの引き出し(容器)に1種類が基本です。たとう紙の上に直接置かずにタンスの四隅に置くようにします。
2) たとう紙
きもののたとう紙はきものの保管として手軽で機能的です。
和紙のたとう紙はきものの湿気を吸い取ります。たとう紙が黄色く変色するのは、きもののかわりに湿気を吸い取っているためです。長くほっておくと、黄変(シミ)がきものに移ってしまうので、すぐにたとう紙を取り替えるようにします。高価なものを使うより、安いたとう紙で虫干しの度にとりかえたほうが、きものが長持ちします。
きもの1枚にたとう紙1枚です。まとめ入れたりすると、きものにたたみじわが出来てしまいます。
きものやさんや包装紙のお店、デパート等で一枚300円くらいで売っています。もし無い場合は、ウコンで染めた風呂敷、それもない場合は風呂敷を使います。
3) 虫干し
きものは絹、木綿などの天然の繊維が使われていますから、空気にさらして、息をさせることが必要です。
方法としては空気の乾燥した晴天の日を選んで、風通しの良い日陰に掛けて風に当てます。
虫干しが面倒な人は、せめて年に一度はきものの引出しを全て開けて、たとう紙を広げ、たたんであるきものをちょっとたたみ直すだけでたとう紙の隅に溜まったガスが取れ、カビの発生を防ぐことができます。
4) 小物の保管
バック
バックはかわいた柔らかい布でやさしくふき取りしまいます。
白布や和紙等で包んでやるとさらに良いでしょう。
半衿
化繊や交繊の物は、揉まずに軽く手洗いして、しぼらずに陰干し、裏からアイロンを掛けます。正絹は着るたびに洗うわけにはいきませんので、きものの衿と同様に処置しておきます。
また収納時には、半衿はほとんどが白なので汚れないように他の小物とは分けておきます。
帯揚げ
日常は手でしわを伸ばしながら巻いておきます。
絞りの帯揚げはシワになりにくいのでしぼが潰れないように2つ畳にし、輪のほうから巻いておきます。
無地綸子ものは1シーズンごとに薄めの中性洗剤液でふり洗いしますが、絞りは伸びる恐れがありますから、水につけたりアイロンを掛けたりしないほうがよいです。
帯締め
手垢がつきやすいので、歯ブラシにガーゼをかぶせたものにベンジンを含ませ時々部分抜きにします。
乱れた房は湯気にあて、櫛でとき、整えます。房を和紙できっちりとくるみ、房の部分を内側にして6つ折にして袋か箱にしまいます。
足袋
白さが生命です。時間がたつと落ちにくいので、その日のうちにブラシで洗い、裏返して陰干しにした後アイロンをかけます。
草履
陰干しして湿気を取ったあと、泥や埃を拭き取ります。革はクリーナーで汚れを落とします(布製にはクリーナーをつかってはいけません)。鼻緒の裏と鼻緒もしっかりと拭きましょう。
腰紐・伊達締め
丈を二つ折りにし、左右に引っ張りながらシワを伸ばして巻き、、端から五角形になるように折り込んでゆきます。
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