日本の祭り8

嫁オコナイ

  滋賀県伊香郡高月町磯野 赤見神社 2月15日
  高月町立観音の里歴史民俗資料館/初春・オコナイ
  http://www.biwa.ne.jp/~kannon-m/

 鏡餅奉納(社参)の際に、給仕料理方という役の男性一人が化粧して華やかに女装し、提灯を持つトウニンと連れ添って歩きます。

 オコナイのトウヤ(当屋・頭屋・塔屋)は、神意(仏意)によって選ばれるとされ、クジで決めるところが大半ですが、なかにはあらかじめ順番が決まっているところ、年長順に受けるところなど例外もみられます。
 磯野地区のトウヤも、結婚した順、つまり所帯持ち(戸主)となってはじめて候補者に加わることができるとせれています。
 嫁をもらった「めでたさ」をあらわす意味合いもあり、かつては、お嫁さん本人が社参していたようですが、オコナイは、密教との習合以降、男のまつりとして女性の参加を認めていないケースがほとんどであることから、女装した代理を立てるようになったようです。

 また、赤見神社に祀られている祭神は、広国排武金日命(安閑天皇)とその皇后春日山田皇女の二柱で、社号「赤見」は皇后の別名です。天皇ではなく皇后(嫁)の名前にちなむことから「嫁オコナイ」とよび、女装するのだともいわれています。 

 オコナイ

 近江の正月を特色づける行事に、村内の安全や五穀豊穣を祈願する春迎えの伝統行事「オコナイ」があります。

 オコナイは近畿・北陸・東海地方と広く分布していますが、その中でも、近江のオコナイは、その内容・数ともに抜きんでています。
 オコナイが盛んな滋賀県湖北地方(北近江)では、一月から三月にかけて坂田、東浅井、伊香の三郡のほとんどの集落で行われ、多くは神社を中心に行われるため宮オコナイと呼ばれています。これに対して湖南地方の甲賀郡などに伝わるものは、おおむね寺オコナイと呼ばれ、村の仏堂を祭場として行われています。また、西近江の大津市下阪本の酒井神社と両社神社に伝わる「おこぼ(御講房)さん」(一月六日〜八日)は、宮オコナイと寺オコナイの混同した形で伝承されています。

 「オコナイ」とは本来、仏教における「修行」をあらわす言葉で、仏教行事の修正会・修二会と共通の性格をもちます。
 また、男性だけがトウヤ(当屋・頭屋・塔屋:当番家のこと)に集って鏡餅をつき、鏡餅を乗せたみこし型の「屋台」をかついで村中を練り歩いて神社などに奉納し、お供えされた鏡餅を前に祭典が営まれ、その後、トウヤへ持ち帰り(鏡下げ)、氏子たちが祝い膳を囲み親ぼくを深める直会(鏡開き)をするといった、宮座の伝統も受け継がれています。

 宮オコナイ、寺オコナイいづれにせよ、「お鏡」こそがオコナイの核心であり、穀霊・祖霊の象徴です。餅はハレの日の食物であり、餅には稲の霊が宿り、餅を食べるものには力が与えられると考えられていました。オコナイは、「お年玉」の本来の意義を伝える祭祀であり、一年間の豊作の願いを込めた予祝なのです。

    

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