日本の祭り13

地芝居

 玄人の芝居を「旅芝居」「旅まわり芝居」 あるいは「買芝居」というのに対して、農村や漁村で行われた素人の芝居(昔は「芝居」とか「狂言」といえば「歌舞伎」を指しました)を「地芝居」と呼んできました。「地芝居」と「買芝居」を総称して「村芝居」と呼ぶこともあります。
 また、「地狂言」という呼称もありますが、「地狂言」は、元禄時代の歌舞伎で舞踊のことを「所作事」と称したのに対して、セリフ劇のことを呼ぶ呼称として用いられていたものです。

 歌舞伎は、近世初頭に京都、大阪、江戸など大都会で盛んになり、元禄期には「地廻り役者」と呼ばれる旅興行の歌舞伎が広範囲に行われるようになりました。
 これが地方にも広がり、やがて享保期には農民などが自ら歌舞伎を演ずるようになり、地方の村々に普及していきました。
 地芝居の多くは、神社の祭礼や雨乞いを目的にお盆などに開かれ、主に村の若者によって演じられてきました。現在もなお、伝統芸能として全国に多くの地芝居が残っています。

ほんの一部だけのご紹介です。
黒森歌舞伎 山形県酒田市
桧枝岐歌舞伎 福島県檜枝岐(ひのえまた)村
田島祇園祭屋台歌舞伎 福島県南会津町(旧田島町)
小鹿野歌舞伎 埼玉県小鹿野町
秩父夜祭り屋台歌舞伎 埼玉県秩父市
秋川歌舞伎 東京都あきる野市
大鹿歌舞伎 長野県下伊那郡大鹿村
横尾歌舞伎 静岡県浜松市(旧引佐町)
出町子供歌舞伎 富山県砺波市
お旅まつり 石川県小松市
地歌舞伎 岐阜県美濃地方各地
曳き山まつり 滋賀県大洲市長浜町
葛畑(かずらはた)歌舞伎 兵庫県養父市
小豆島農村歌舞伎 香川県小豆島

    

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